代表者挨拶
代表取締役社長
伊藤 立一
リーマンショックに端を発した世界的大不況は収束の兆しを見せましたが、根本で解決されていないヨーロッパ問題がここに来て噴出してきました。ヨーロッパの動向は予断を許さない状況です。
ヨーロッパ問題はいずれ財政規律を各国が遵守する体制が構築された後、ドイツが譲歩する形での共同債発行で、ある程度収束する可能性が高いと考えられます。しかし、その後は先進国の構造的な財政問題が市場の関心事になってくると思われます。その場合、先進国中、対GDP比で最も負債を抱える日本が注目される事は言うまでもありません。
証券会社の役割として最も重要な点は「資産を増やす」という事であると思われますが、今後はその役割の中には「資産を守る」という点もウェイトを占めてくるのではないでしょうか。
この20年間、一時期を除き円は強い通貨でした。世界的な決済通貨であるドル・ユーロ・円の中で、日本は純債権国であり、経常収支黒字国である為、資産の逃避先として、ドル・ユーロと比較して買われました。しかし、ヨーロッパ問題が収束した後も、円が長く強い通貨であり続けるか?に関しては、かなりの疑問符がつきます。
今後の我々の重要な役割とは、日本がギリシャなどと同じ事態に直面する可能性を視野に入れながら資産運用を考えていくことであると思います。
円のみで資産を持ち、預金する事が有効な時代はもうそろそろ終わりそうです。10年・20年先を見て、円以外の通貨に資産を分散する時代が望む望まざるに関わらず到来すると考えられます。その時こそ、我々証券会社が本来の役割を果たす時であると言えます。
我々は地域密着を基本とした地場証券であります。地場証券の本質は地域に密着し、お客様の方を向いて商売を行なうことにあります。その方針に則り、出来るだけお客様に分かり易いシンプルな商品を厳選して取扱っていきたいと考えています。
我々はお客様と共にあります。